東芝が撮像素子に湾曲レンズを組み込んで入射角を改善する特許を出願中です。 これにより周辺画質の改善やレンズの更なる小型化が期待出来そうですね。
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凹状 | 凸状 |
特許文献、及び要約・自己解釈
- 特許公開番号 2013-30540
- 公開日 2013.2.7
- 出願日 2011.7.27
- マイクロレンズが対応可能な入射角
- 対応する入射角であれば適切に受光可能
- 対応外の入射角では、感度の低下、マイクロレンズ表面での反射、混色等の問題が発生
- 東芝の特許
- 撮像素子のマイクロレンズ上に、凹状や凸状の湾曲レンズを形成
- 入射光を、マイクロレンズの入射方向に、屈折させる
- 露光と溶解の工程において、中心と周辺で透過率が異なるグレーティングマスクを使い、湾曲レンズを形成する
東芝の特許
東芝の特許を使わなくても、後群の工夫によって入射角の改善は可能です。 最近のミラーレス用レンズは、オーソドックスな光学系に何らかの補正レンズを後群に加えた設計が多く見られ、入射角は有利になりますが、全長も長くなってしまいますね。 ミラーレス用レンズは相対的に大きいのですが、この後群で収差も補正可能ですし、悪いことばかりではありません。
東芝の特許は補正レンズを撮像素子上に生成して、入射角を改善しつつも全長を短縮するというものです。 光学設計と特許の撮像素子を合わせ込む必要があるので、小型化の恩恵を受けられるのはレンズ一体式のカメラになります。 どちらかというと、携帯電話やスマートフォン、その他諸々の小型デバイス向けの技術だと思うのですが、ハイエンドのデジタルカメラにも応用してほしいものですね。