タムロンが10-50mm F3.5-5.6の特許を出願中です。 防振機構を搭載したAPS-C用ズームレンズで、広角域は魚眼、中間域は広角、望遠域は中望遠レンズとして使うことが出来ます。

embodiment1: 10-50mm f/3.5-5.6 VC Fisheye (APS-C)
特許文献の説明・自己解釈
- 特許公開番号 2014-178388
- 公開日 2014.9.25
- 出願日 2013.3.13
- 実施例1
- 焦点距離 f=10.302-21.15-47.803mm
- Fno. 3.53-5.05-5.62
- 半画角 ω=90.00-39.00-17.00°
- 最大像高 Y=14.200mm
- 実施例3
- 焦点距離 f=10.309-18.76-34.107mm
- Fno. 4.07-4.84-5.73
- 半画角 ω=90.00-44.00-23.70°
- 最大像高 Y=14.200mm
- レンズ構成 10群13枚
- 非球面 0枚
- LDガラス 3枚
- 実施例4
- 焦点距離 f=10.303-26.99-96.780mm
- Fno. 3.56-5.18-6.39
- 半画角 ω=90.00-30.00-8.40°
- 最大像高 Y=14.200mm
- レンズ構成 10群13枚
- 非球面 7面5枚
- LDガラス 2枚
- 防振 (第3群の一部 L131)
- インナーフォーカス (第3群の一部 L134)
【0017】本発明によれば、フィッシュアイアタッチメントの着脱等の煩雑な操作をすることなく、超広角からの無段階高変倍が可能な、小型、高性能の超広角ズームレンズを提供することができるという効果を奏する。また、フォーカシングの時間を短縮するインナーフォーカス機能や、手振れを軽減する手振れ補正機能を具備して、動画撮影に好適な超広角ズームレンズを提供することができるという効果を奏する。
縦収差 | 横収差 |
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左から順に球面収差、非点収差、歪曲。上から順に広角、中間、望遠。右は防振時のコマ収差。
見たもの全てを写し込めるレンズ
タムロンの特許申請は、視野を全て写し撮ることも、人が注視した範囲を切り撮ることも出来る、ズーム率の高い魚眼ズームです。
システムに魚眼レンズが一本あると、見える範囲全てを写し撮ることが出来るので便利ですね。 生き物の視野は、人間が約210度、肉食動物が約250度、草食動物が約350度と一般的には言われており、この画角を得られる超広角レンズは存在しないので、ステッチング等の技法や魚眼レンズを使うことになるからです。 魚眼レンズには特有の歪曲があるのですが、画角が足りず写っていない範囲があるよりは良いでしょう。 しかし視野から切り撮って撮影したい場合に魚眼レンズは不便なので、魚眼レンズ一本で全てのシーンに対応することは出来ません。 特許申請のレンズであれば人が注視した画角にも対応するので、次世代基準の高倍率ズームになるかもしれませんね。