Quantcast
Channel: エンジニアの嗜み
Viewing all articles
Browse latest Browse all 837

Nikon 有機ELによるシャッタとNDフィルタの特許

$
0
0

ニコンが有機ELを用いたシャッタ及びNDフィルタの特許を出願中です。

2013_165432_fig01.png

9は透明有機EL、10はOLPF、11は撮像素子

2013_165432_fig03.png

小さな領域で構成される有機ELシャッタ

特許文献の説明・自己解釈

  • 特許公開番号 2013-165432
    • 公開日 2013.8.22
    • 出願日 2012.2.13
  • ニコンの特許
    • 透明有機ELを小さな領域で構成し、二次元に配置する
    • 減光率が可変
    • シャッタやNDフィルタとして使用可能
    • 有機ELは応答速度に優れる

メカシャッタの問題点

レンズ交換式の一眼レフやミラーレスにはフォーカルプレーンシャッタ(メカシャッタ)が使われますが、シャッタチャージ用のモータ等が肥大化の要因になりますし、また振動が大きいのでブレを発生させてしまいます。

撮像素子の大小に関わらずコンデジに使われるリーフシャッタ(メカシャッタ)であれば、ブレが殆ど発生しませんが、交換レンズ全てに組み込むとコストや重量が上がってしまいますし、また光学設計に制約が生じるのであまり使われませんね。 最近登場したマウントでは、リコーGXRライカS(一部レンズ)がリーフシャッタに対応しています。

そこで近年注目を浴びているのが、電気的に露光を制御するローリングシャッタやグローバルシャッタ(電子シャッタ)、液晶シャッタに代表されるように、ある媒体の透過率を変化させるシャッタ(化学シャッタとでも言うのでしょうか)になります。

ニコンの特許

液晶シャッタ案は珍しくありませんが、一眼レフやミラーレスでは高速シャッタが必要とされるので、ニコンはそれを有機ELに置き換えたようです。 写真表現を行う上で、カメラの最高シャッタ速度が1/8000secなのかそれとも1/4000secなのか、露光指数がISO100スタートなのかそれともISO200スタートなのかは、大きな問題ですから応答速度が速いに越したことはありません。

液晶/有機ELシャッタは良いことばかりではなく、減光率が完全に0%にはならないので、シャッタやNDフィルタとしての利用に抵抗を持つ方も多いでしょう。 将来的にはグローバルシャッタなのでしょうが、開口率等の問題があるので、それまでの繋ぎとして、有機ELシャッタは良いかもしれませんね。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 837

Latest Images

Trending Articles

<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>