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KonicaMinolta 12-42mm F3.5-5.6 (4/3") の特許

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コニカミノルタ14-42mm12-42mm F3.5-5.6特許を出願中です。 4/3型の撮像素子に対応するので、μ4/3に好適ですね。

それとフルサイズ用レンズを持たないメーカーに好適なマウントアダプタについて。

patent
14-42mm f/3.5-5.6 12-42mm f/3.5-5.6
Lumix G X Vario PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S. Lumix G X Vario PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.
Lumix G X Vario PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S. Lumix G X Vario PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.

左から、球面収差、非点収差、歪曲

特許文献、及び要約・自己解釈

  • 特許公開番号 2013-15778
    • 公開日 2013.1.24
    • 出願日 2011.7.6
  • 実施例1
    • ズーム比 3.000
    • 焦点距離 f=14.000 - 24.200 - 41.999mm
    • Fno. 3.600 - 4.400 - 5.700
    • 半画角 ω=39.932 - 23.577 - 14.094°
    • 像高 10.800mm
    • レンズ全長 68.870 - 58.000 - 63.858mm
    • BF 2.000mm
    • レンズ構成 7群8枚
    • 非球面 4面4枚
    • EDガラス 1枚
  • 実施例2
    • ズーム比 3.500
    • 焦点距離 f=12.000 - 22.400 - 42.000mm
    • Fno. 3.600 - 4.400 - 5.700
    • 半画角 ω=44.361 - 25.175 - 14.166°
    • 像高 10.800mm
    • レンズ全長 80.000 - 69.483 - 79.811mm
    • BF 2.000mm
    • レンズ構成 8群9枚
    • 非球面 4面4枚
    • EDガラス 1枚
  • コニカミノルタの特許
    • 負正負正の4群ズーム
    • インナーフォーカス (第3群)
    • 防振 (第2群の1部)

閑話

G X Vario PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./ POWER O.I.S.
Date Maker Action Remarks
2010/7 Panasonic 特許出願(特開2012-22019、2012-37869) X14-42mmとは異なる
2010/9 Panasonic 特許出願(特開2012-63661、2012-63662、2012-63663、2012-83726) X14-42mmとは異なる
2010/12 Panasonic 特許出願(特開2012-133228、2012-133229、2012-133230) 完全一致はしないがX14-42mmに近い
2011/7 KonicaMinolta 特許出願(特開2013-15778) 今回の記事で紹介した特許
2011/8 Panasonic X14-42mm発表
2011/10 Panasonic X14-42mm発売

記事とは関係ありませんが、G X Vario PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./ POWER O.I.S.が、ふと気になったので特許を調べてみました。 パナソニックはX14-42mmの開発において、検討に検討を重ねているようですね。 要求される仕様によりますが、単焦点よりもズームレンズの方が、設計に困難がつきまとうものです。

比較する理由は特にありませんが、X14-42mmは8群9枚(非球面 x4、ED x2)で凹メニスカスが先行、特許の実施例1(14-42mm)は7群8枚(非球面 x4、ED x1)で平凹が先行、実施例2(12-42mm)は8群9枚(非球面 x4、ED x1)で凹メニスカスが先行、上で取り上げていませんが、実施例3(14-42mm)は7群8枚(非球面 x4、ED x2)で平凹が先行となっているようです。

コニカミノルタの特許

接合レンズで敢えて球面収差を発生させて、第2群の先頭レンズで発生する球面収差を打ち消す、その他諸々の光学系の最適化が文献の内容です。 バックフォーカスが2.000mmとなっていますが、これはOLPF/UV-IRCF等を含んでいる為です。 後玉から撮像素子までの距離から見積もれば、μ4/3に収まるでしょう。

性能は、広角側では実施例1等は単焦点顔負けの高い水準にあるようですね。 望遠側も従来の水準で考えると決して悪くないのですが、画素ピッチの狭い最近のカメラだと、 四隅の軸上色収差を無視出来ないレベルでしょうし、周辺の非点収差も気になるかもしれませんね。

半年以上前に公開されたパナソニックの特許を少しだけ扱ったついでに、μ4/3用マウントアダプタを紹介。

縮小光学系の逆

Metabones(メタボーンズ)のSpeed Boosterについては皆さんご存知の通りだと思います。 少し前は補正レンズ(テレコン)入りのマウントアダプタは、マスターレンズの描写を損ねるということで嫌われたものでしたが、各種BlogやBBSでは好印象なコメントが多かったようで、意外でした。

メーカーはMTF等の向上をアピールしていますが、例えば、書類を縮小コピーしてスキャンするのと、書類をスキャンして縮小するのではどちらが良いのでしょうね。 また、F値は明るくなりますがT値は暗くなりますし、ボディがフルサイズであるに越したことはないのです。 強いてメリットを挙げるならば、撮像素子がAPS-Cで済むということで、消費電力や熱問題で有利になることでしょう。

フローティングを無視する中間リングやヘリコイドは好きですけどね。 でもTS-E17mm F4L 専用設計で、フルサイズボディで実焦点距離10mmとして使える縮小光学系アダプタを開発してくれたら使ってみたいです。

Speed Boosterは、イメージサークルを縮小する為のアダプタです。 ではイメージサークルを拡大することは出来ないのか。 あります。 武蔵オプティカルのOptMagです。

  • TL-OM2X2 For MicroFourThirds マウント
    • 光学
      • 倍率 2倍
      • Fナンバー 入力側 F1.7 出力側 F3.4
      • 有効イメージサークル φ22mm
      • 像姿勢 倒立正像 (撮像レンズと組合せ時)
    • 機械
    • 対応カメラ

2/3型用レンズのφ11mm程度のイメージサークルを、このアダプタがφ22mmにまで拡大し、4/3型の撮像素子全面に結像させるわけです。 つまりフルサイズ用で作れば、例えばAPS-C用35mm F1.8レンズが、フルサイズ用52.5mm F2.7になるわけです。

フルサイズ用レンズを持たないメーカーがフルサイズ機を発売する時は、こういったアダプタを用意すると良いかもしれませんね。


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